院長の季節だより4 昔の日本人と熊の関わりかた
2018年12月13日院長の季節だより6 「夏枯草(かこそう・ウツボグサ)」
2018年12月22日本日(新暦)は、2018年12月20日 木曜日
旧暦の日付でいうと11月14日(赤口)です。二十四節気は、大雪(たいせつ)の末候です。
3日前の17日より七十二候(しちじゅうにこう)は、六十三候の「鱖の魚群がる(さけのうお むらがる)」で、鮭が群れをなして河川をのぼる頃です。この候も前候の「熊」と同様に九州ではその姿を見ることはありません。
一般に鮭の遡上は、太平洋側では千葉県で日本海側では島根県が南限のようですが、北九州の遠賀川では昔、鮭が遡上していたそうです。
遠賀川上流の嘉麻市には1200年ほど前に建てられた全国でも珍しい「鮭神社」があります。西暦769年創建で万葉集ができたころです。菅原道真公が大宰府に流される130年以上前にもなります。
①遠賀川源流サケの会のHPより。
『鮭神社俗説ですが、遡上してくる鮭は海神「豊玉姫」が御子「鵜草葦不合尊」と夫である山幸彦「彦火火出見尊」のもとへ遣わされたものであり、これを途中で捕まえると災いがあり、無事に戻ってくればその年は豊作であるとされ、現在も氏子の人々は鮭を食べない風習が残っている』そうです。
昭和53年一匹の鮭の遡上をきっかけにカムバックサーモン運動がおこり、昭和60年から孵化放流がはじまり現在も続いているそうです。
②2018/05/20 に公開された「遠賀川と鮭」YouTube(7分)ありましたので記載しています。
ご興味のある方はみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=SuHkEgzmPzs
遠賀の鮭のことは、ニュースでずいぶん前からは知っていましたが詳しくは知りません。今回ユーチューブで多くの鮭の遡上の映像を視ました。ひたすら上流を目指し、力尽きるまで泳ぎ続け産卵し死を迎える。その姿は過酷で痛痛しくもありますが、生命の力強さ・命の尊さを同時に感じました。
遠賀川では遡上の数も少なくその中で、河口から約50㎞も離れた鮭神社のある上流まで苦難を乗り越え稀に上がってきた鮭に対して、いにしえの先人たちがご神体として崇めたのでしょう。
Photo 鮭神社 嘉麻市観光ポータルHPより